47才 男 大事なことは学校ではなく犬が教えてくれた

自分は40代の男性ですが、当時は受験戦争などと呼ばれて日本全国が、お受験、お受験で過渡な状況でした。
塾を2校ほど掛け持ちで通い、連日、夜の11時に帰るサラリーマンのような生活をしていました。

しかし、中学3年生の内申書が決定される最後の試験期間の直前、急遽、病気で手術をすることになり試験を受けることができなくなりました。

通常、病欠等で試験を受けられなかった場合、学校では見込み点といって、普段の成績の7割から8割程度の点数で成績表が評価がされます。

担任の理科の先生だけが成績書に4をくれましたが、他の科目はほぼオール2で、志望校どころか一般の高校すら入試を受けられないような状況となりました。

当時、成績はほぼ5か4でしたから、悪くても3ぐらいにはなるだろうと、渋々、手術入院をしたことが仇となったのです。
モルヒネで痛みを消してでも試験を受けるべきだったのかもしれません。

そのような場合、通例では定員割れをした人気のない高校に通うことになります。
そうした事情で生徒達も集まってきますので、春になると決まって新入生が1人は自殺するような学校へ通うことになりました。
自分が卒業して6年ほど経ってから、あまりに不人気で、その高校自体も廃校になったそうです。

自分が努力をしたところでどうにもできない事態があるんだという、人生で初めて大きな挫折を味わうことになりました。
ショックからうつ病を発症し、2月近く学校に行くこともできませんでした。

それ以降、未だに人を心から信用することができず、人と関わることはしていません。
当然、結婚もしていませんし、この年になって友人もいません。
ですが、自分は悲しいと思ったことは、ただの一度もないのです。
それは人以外の信頼できるパートナーとして、犬を飼ったからです。

うつ病になった経験のある方なら分かると思いますが、常に絶望感に悩まされ、全くやる気が起こらず、ただ「死にたい」という発想ぐらいしか思いつかないのです。

よくテレビのニュースやワイドショーで、心ない司会者や出演者が、「死ぬ勇気があるぐらいなら、何でもできるはずです!」と自殺した生徒に鞭を打つようなコメントをしている光景を、本当に嫌になるほど何ども見ています。

死にたいという選択肢しか選べないほど、うつ病の状況が重くなっていることが、そもそも自殺の原因であり、そこから脱するには生活の環境自体を変えるか、自分自身の価値観を変える以外に方法はないと思います。
「行きたくもない学校に行っても、帰れば犬がいるからいいや」 そんな軽い気持ちから徐々に不登校とうつ病を乗り越えることができました。

自分よりも小さな存在で、長く生きても12年程度しか生きられない犬という命とかかわることで、大事なことを沢山、教わったような気がします。
今は3代目になる、やんちゃな柴犬と生活を共にしています。
最後の最後まで人を決して裏切ることがない犬の生きざまを見ていると、人の世界が如何に薄っぺらであるかを思い知らされることがしばしばあります。

どうか自分の生活を変える何かと出会ってください、自分自身の価値観を変えてくれるようなものを見つけてください。
学校生活だけが人生の全てではありません。どこかにそこから脱する道は必ずあります。